JA和歌山県農と大阪公立大学、近畿大学生物理工学部・農学部は、「和歌山のたねなし柿(和歌山県産中谷早生、刀根早生および平核無)」に含まれる「柿タンニン」を摂取することで、悪玉(LDL)コレステロール値を低減させられることを臨床試験で実証しました。
 臨床試験では、柿タンニン1日当たり2.1gの摂取を4週間続けることで、悪玉(LDL)コレステロール値を有意に低減させられることが判明した。このタンニンの量は、「和歌山のたねなし柿」の生果1個に当たります。

 JA和歌山県農では、この試験結果を根拠に消費者庁へ機能性表示食品としての届出を行い、8月に受理されました。柿特有の成分を関与成分とする初めての機能性表示食品となり、JA系統組織が主体となって、機能性の実証を行った事例はこれまでにはありません。
(届出者:和歌山県農業協同組合連合会、届出番号:I361)

記者会見

2023年9月6日、和歌山県JAビルで記者発表を行い、柿消費拡大対策事業協議会から研究成果に至るまでの経緯ならびに販売面での活用方法を説明し、大阪公立大学の鈴木利雄客員教授は試験結果概要を紹介しました。

澤井壮平協議会長(JA紀北かわかみ専務)は「新たな消費者層の開拓による柿の消費拡大・販売促進を目的に機能性の研究に取組んだ。時間と費用を要したが、生産者の理解のもと、ようやく受理までいたることができた」、中山裕之副協議会長(JA紀の里常務)は「これまで、たねなし柿の販売に当たっては、食品表示法に基づいてビタミンC(栄養機能食品表示)および葉酸(強調表示)の表示を行ってきた。今回の受理により、柿の機能性が明らかになり、積極的にプロモーションしていく」と消費拡大の意気込みを話されました。

柿は日本で古くから栽培されている秋の味覚の代表格。主産地の和歌山県が農業所得の向上をはかるため、新たな柿の機能性をはじめとする魅力・価値を高めていき、需要拡大に努めていきます。